月別アーカイブ: 2026年1月

第26回電気工事雑学講座

皆さんこんにちは!

常新電設株式会社、更新担当の中西です。

 

停電は“いつか必ず起きるイベント”。蓄電池は非常時に止めない負荷を支えるだけでなく、平常時のピークカット/シフトでも効く装置です。ここでは負荷選定→系統切替→容量設計→運用まで、BCP視点でまとめます。🧭

 

1|非常時負荷の選び方🧠
A:最優先(生命・安全):非常照明・避難設備・医療/サーバ・通信。
B:重要(品質・ライン維持):制御・監視・一部機械・冷蔵/冷凍。
C:猶予可:一般空調・照明の一部・快適系。→ 停電時は段階的に停止。
ポイント:総容量より“運用設計”。A/B/Cを物理的に回路分離し、切替手順を盤扉裏にQRで明示。📜

 

2|切替方式(系統構成)🔀
常時インバータ(DCDC/ACDC):瞬断ゼロ。変換損あり。
ラインインタラクティブ:普段は系統、停電で素早く切替。コスト・効率のバランス。
手動/自立運転:太陽光と連携し自立マイクログリッド。非連系回路との誤連系防止を徹底。

 

3|容量と運用🧮
設計式の勘所:必要電力(kW)×保持時間(h)×余裕係数=容量(kWh)。起動電流・温度劣化を織込む。
温度:低温で出力低下。設置環境(屋内/屋外)と空調をセットで計画。
入出力:インバータの瞬時容量と連続容量を区別。モータ始動には数倍の余力を。

 

4|V2H/V2B(車両蓄電池の活用)🚗🔌
利点:既存のEVを非常用電源化。ピーク時の二次電源としても使える。
留意:絶縁監視・逆潮流制御・接続インタフェース。車両側の保証条件も確認。

 

5|安全と保守🧯
電池種:LFP/NMC等で特性と安全性が異なる。BMSと遮断/監視を信頼できる構成に。
防火・防爆:区画・換気・検知。充放電制御のフェールセーフ設計。
定期試験:容量試験・内部抵抗・セルバランス。状態監視で劣化の手当てを早めに。

 

6|事例(中規模オフィス)💼
A負荷(非常照明・通信)を蓄電池で30分、B負荷(一部空調)を10分保持。平常時はピークカット運用で基本料金を抑制。停電訓練を半年ごとに実施し、切替エラーゼロを達成。📈

 

7|まとめ🌈
蓄電池は“BCPの核”。負荷の棚卸→切替方式→容量→運用の順で組み立てれば、非常時も平常時も強い電気が実現します。次回はEV充電設備に進みます。🚗⚡️

 

 

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第25回電気工事雑学講座

皆さんこんにちは!

常新電設株式会社、更新担当の中西です。

 

PVは“設置すれば終わり”ではありません。自家消費率の最適化、逆潮流と保護、配線ロス、火災安全、O&Mまで含めて初めて“経済性+BCP”が立ち上がります。ここでは設計→施工→点検→運用を一気通貫で整理します。🌞

 

1|設計の骨子🧭
目的:自家消費?売電?BCP?──目的によりPCS(パワコン)容量と系統連系の設計が変わる。
配置:方位・傾斜・日射遮蔽。影の時間変動を評価し、ストリング構成で影の影響を局所化。
PCS選定:集中型/分散型/マイクロインバータ。単一故障点・保守性・変換効率を比較。
自家消費率:負荷プロファイルとマッチング。蓄電池/EMS併用で昼夜平準化。

 

2|電気的設計⚡️
DC電圧:ストリング電圧が低温時に上限超えないか、高温時に最低起動電圧を下回らないかを評価。
電圧降下:DC/AC双方で配線長×電流を最小化。太線化・ルート短縮・集電箱位置で最適化。
保護:逆流防止・直流側ヒューズ・アレスタ。RSD(急速停止)や直流開閉器の配置。
接地:フレーム接地・等電位。雷多発エリアはT1/T2の段落ちSPDを採用。

 

3|施工の勘どころ🛠️
端子・MCコネクタ:規格適合品の“同一メーカー”で統一。混在は発熱・溶損の原因。
配線:屋上は耐候・耐紫外ケーブル、曲げ半径と固定を厳守。ドレンの水路を塞がない。
貫通:防水と防火を両立。認定貫通材+施工写真で証跡化。
安全:直流はアークが消えにくい。開閉は手順書・遮光・PPEで確実に。🧤

 

4|O&M(運用・保守)🔁
洗浄:汚れは直流損失に直結。環境に応じた年1〜数回の清掃計画。
監視:PCSごとの発電量・ストリング電流を時系列で監視し異常検知。故障予兆を掴む。
点検:IVカーブ・絶縁・サーモ。コネクタのホットスポットに注意。

 

5|事例(食品工場・自家消費型)🏭
日中に負荷が高く、自家消費率が高い。PCS分散型+蓄電池小容量でピークカット。RSD導入と段落ちSPDで安全性を確保。電力量監視の見える化で現場の省エネ意識が高まり、稼働率/品質も向上。📈

 

6|まとめ🌈
PVは“電源+運用”。配線ロス最小化→保護→安全→監視までを一体で設計すれば、経済性とBCPが両立します。次回は蓄電池とBCPです。🔋

 

 

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第24回電気工事雑学講座

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設備は“作って終わり”ではなく運用が本番。点検はコストではなく停止を防ぐ投資です。ここでは法定点検の枠を超え、**予防保全(PM)と状態基準保全(CBM)**を組み合わせた実務メニューを提示します。📋

 

1|点検設計の原則🧭
クリティカル負荷優先:停止許されない系統(非常・サーバ・医療)を優先度Aに分類。
点検窓:夜間/休日/系統切替を活用。切替手順書&責任者を明確に。
データ化:設備台帳にメーカー・型式・回路・交換部品・履歴を紐づけ。QRで現場から記録。

 

2|試験メニュー🧪
絶縁抵抗:系統を区切り、負荷切り離しのうえ測定。測定電圧は回路種別で適正に。数値は前回比で劣化傾向を読む。
耐圧/漏れ:受変電・高圧ケーブルで耐圧試験。端末処理の品質確認に有効。
接地抵抗:雨期/乾期で推移を取る。季節変動を理解し、改善策を検討。
熱画像:負荷ピーク時に実施。端子・母線・ブレーカのホットスポットを検出。
動作試験:非常照明・非常電源・切替盤・発電機の実負荷または模擬負荷試験。

 

3|予防保全(PM)📆
清掃:盤・吸気フィルタ・照明器具。反射率維持は省エネにも直結。
締付:トルクレンチで規定値を再現。闇雲な増し締めはNG(導体痩せ)。
交換:消耗品(コンデンサ・バッテリ・ファン)。寿命前交換で突発停止を防止。

 

4|CBM(状態基準)📊
温度トレンド:定点温度・盤内温湿度をロガーで監視。異常上昇の早期検知。
電力品質:高調波・瞬停・電圧ディップ。原因機器の特定と対策(フィルタ・系統分離)。
振動/音:変圧器・ファン・発電機の劣化をスペクトルで監視。

 

5|記録運用📚
写真5点セット:①全景 ②近景 ③ラベル ④計器値 ⑤日付。同一アングルで時系列比較。
是正管理:指摘→是正→検証→再発防止。チケット管理で抜け漏れゼロ。
教育:過去の“ヒヤリハット”をKYT教材化。新人教育に再利用。

 

6|事例(商業ビル)🛍️
年次点検に熱画像+負荷トレンドを追加。空調ピークで盤の特定回路が高温と判明、端子再処置で夏季トリップ撲滅。QR台帳で記録の検索性が向上し、点検時間を30%短縮。⏱️

 

7|まとめ🌈
点検は“止めない工事”。A優先→データ化→PM+CBM→チケット運用で、無理なく安全・品質・省エネを守れます。次回は**太陽光(PV)**の実務を扱います。☀️

 

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第23回電気工事雑学講座

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電気は“戻り道”が設計の要です。接地(アース)は漏電・静電気・サージの逃げ道、避雷は直撃雷・誘導雷から設備を守る盾。ここでは系統(TT/TN/IT)、接地抵抗の設計と測定、等電位ボンディング、SPD(サージ防護)、**避雷設備(LPS)**まで、現場で迷いがちなポイントを体系化します。⚙️

 

1|接地方式の基礎
TT系:負荷側中性点を大地へ。漏電遮断器(RCD)で人身保護。住宅・小規模に多い。
TN‑S/TN‑C‑S:配電系のPE(保護導体)を上流から配る。インピーダンスが低く、保護協調が取りやすい。
IT系:医療・計装で用いる“絶縁監視型”。一線地絡でも即停止せず、監視で安全を担保。
現場TIP:混在改修では“既存の接地思想”を崩さない。PEとNの取り扱いは盤単位で厳格に。‍♂️

 

2|接地抵抗の考え方と達成戦略
目標値設定:用途・機器ごとに“必要な低さ”を設計。漏電遮断器の感度/遮断時間と連動させる。
方式選定:棒状・板状・環状(リング)・深井戸・地中メッシュ。土壌抵抗率(ρ)が高いと達成が難しい。
土壌改良:掘削→灌水→導電材(ベントナイト等)の活用。**保守性(乾燥・凍結)**まで見越す。
並列効果:複数接地極を離して配置(互いの影響域が重ならない距離)。等電位で母線に集約。

測定
三極法(落し込み):補助電極E/C/Pを一直線上に配置。距離比を十分に取り、安定領域を確認。
クランプ法:運用中でも測定可(閉ループ)。並列が多いと値が小さく見えるため解釈に注意。

ありがちNG→是正→
NG:配管や鉄骨で“なんとなく接地”。→ 是正:アースバーを設置し、**星形(放射状)**に整理。
NG:接地線が細い/長い/曲げ多い。→ 是正:短く太く、曲げは大半径、端末は圧着+防食。

 

3|等電位ボンディング
目的:異なる金属体間の電位差を最小化して感電・誤動作を防止。
一次等電位:建物導入部で主要金属(鉄骨・水道・ガス・シールド)をメインボンディングバーへ集約。
局所等電位:浴室・医療・機械室で補助ボンディング。器具更新時はジャンパ忘れに注意。

 

4|SPD(サージ防護素子)の“段落ち”設計⚡️
T1(粗保護):受変電・引込部。雷インパルス電流に耐える。避雷設備と等電位が前提。
T2(中間):分電盤層。機器保護の主力。放電耐量と**Uc(連続使用電圧)**を確認。
T3(末端):機器直前。残留電圧をより下げる。
配線:線長が命。SPDと保護対象の間の往復長を最短に。L‑PE間の配線形状も工夫。

 

5|避雷設備(LPS)と引下げ導体
構成:受雷部(空間電荷法/保護角法で配置)・引下げ導体・接地極(リング推奨)。
引下げ:等間隔で複数設置し、曲げは緩やかに。金属外装は自然引下げとして活用可能。
金属配管/ラック:避雷針と電気的連結を評価。誘導雷の回り込みに注意。

 

6|ケーススタディ(沿岸の物流倉庫)
塩害・雷多発エリア。T1SPD+リング接地+多点引下げで一次保護、盤層でT2、機器前でT3。アースバー集中管理によりトラブルシュートが容易になり、雷雨後の設備停止が激減。

 

7|まとめ
接地と避雷は“見えない安全”。等電位→短く太い→段落ちSPD→リング接地の順で考えると設計が安定します。次回は点検・保守の仕組み化に進みます。

 

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